画材の話。セヌリエの紙とアクリル絵の具。

涼しくなってきました。嬉しい!
さてさて、今日は画材のお話を。

夏の旅行でパリに行くのを決めた時から、画材を買ってこようと思っていた。荷物になってもいいから、かついででも持って帰ってやろう…と。欲しかったのは、アクリル絵の具と水彩紙。

「セヌリエ」という、日本にも紙やパステルを輸出している有名な画材屋さんがセーヌ川沿いに立っている。国立美術学校やポンヌフ、河沿いの古書店付近の素敵な立地で、昔から憧れの画材屋だった。

5−6年程前に一人でここに立ち寄った時に買ったアクリル絵の具がすごく良くて、今回ぜひとも同じものを数本購入したいと思っていた。何が良いかというと、色。特にグレーの系統は、オリジナリティある色が多く、日本でこれほどのバリエーションを見つけるのは難しいんです。
北部フランスは、基本的に土壌が石灰石質なんすよね。今回初めて訪ねたロアーヌなどで裸の地面を歩くと、靴がチョークの粉みたいなので真っ白になる。きめの細かい、乾燥したライムストーン。だから、建物の壁や床も白っぽいものが多い。これが年を経るといい感じのグレーに変色してくるわけで、きっと昔から皆さん、グレーの表現には繊細な目を持っていたんじゃないかと思う。

ユトリロや佐伯祐三の描く建物にはだいたいこの、黄色がかったような、ブルーがかったような、複雑な色味のグレーが使われている。冷たくも見えるし、あたたかくも見える不思議な色。他には漆喰のような、クリーム色を少しトーンダウンしたような色も綺麗。どちらもパレット上で作ろうと思えば作れるけど、下地代わりにどんどん塗りたい時は、チューブから出せるのがありがたい。

ちなみにこちらがセヌリエ本店。早速グレーが目に入ります。

さて、もうひとつ大きな目的が、紙。フランスといえば品質のいい水彩紙の宝庫。しかも昨今の円高で、欧米はどこへ行ってものきなみ物価が激安。というわけで、フランス産の高い水彩紙を買ってやろう…という目論見のもと、セヌリエへ出掛けていったとさ。

いきなりクリスですみません。老舗ということで店舗内を撮影するのもはばかられ、こんな中途半端な写真に。。

とはいえ、以前は閉鎖的で近寄りがたい雰囲気だったセヌリエ、店長のおじいちゃんもがんばって英語など駆使しつつ、熱心に海外の客に商品説明などしてらっしゃり、ずいぶん開けたムードに。こちらとしてはありがたいけど、地元の人にとっては、ミーハーになった感があるのだろうか?

私は運良く親切な女性店員さんに声を掛けてもらって、たくさんある紙の棚をいっぱい見せてもらった。うお〜。すごい。いろいろあり過ぎて選べん。というより、どうやって日本に持って帰るんだ?

とりあえずセヌリエのオリジナル紙を所望。しかし何故か、お宅のオリジナルの紙をくれ、といっても「?」な様子。ならしょうがない、アルシュがあるかと聞くと、じゃんじゃん出て来るではありませんか。
しかも全切が一枚3ユーロ!300円!日本で買うと一枚1400円だよ〜。
もう荷物のことはとりあえず忘れて…お姉さんオススメの激安用紙を合わせて10枚購入。(今考えると、もっと買っときゃよかった…。といっても、巻くと結構な大きさの筒になるのでこれが限界といえば限界)

というわけで、ナイス!アクリル絵の具とアルシュの筒を抱え、ご機嫌で帰還。の途中、別の画材屋でセヌリエのオリジナル水彩紙パッドを数点購入。目的を立派に果たし、大満足。

パリでは古本も数冊買っちゃったので、その後の旅程は十字架を背負ってるみたいに足取りが重かったですけどね。これに懲りず、次パリに行く時はもっと買ってきたいと思っております。

最後に、パリのパッサージュ(アーケード街)での書店の写真を!


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