作品の制作プロセスのご紹介。MAYAギャラリー「DOUBLE WINDOW」

本日よりMAYAギャラリーさんにてスタートしたグループ展、 「Double Window」。

ひとつの絵の中で、ふたつの窓(枠)を使って絵を描いて下さい、そういうシンプルなリクエスト…のはずなんですが、かなりグルグル迷いました。

作品画像をご紹介する前に、ちょっとそのプロセスをご紹介。


いつも作品づくりは、小さなサムネールからスタートする。
これが一番始めのサムネール。

サムネールの人物が悩んでいる私を差し置いて、勝手に会話を始める。

右:あの作者、早いとこ決めて描き始めりゃいいのにね。
左:そうそう。本人が思ってるほど、まわりは気に留めないし。
右:常に気負いすぎなんだよね。
左:そうそう。ちなみに、なんで俺たち、体が建物なの?

それはね。題材がポール・オースターの「ガラスの街」だから。NYの物語でね。

最近読んで、大きなインスピレーションを受けた作品。
現実と非現実の境界って、どこだろう……そういう個人的な視点から出発して、バベルの塔やエデンの園、言語の起源に関わる深遠な問題にまで触れた、異色の短編小説なんだよね。オースターは前に「幽霊」を読んだことがあるけど、こちらの方が断然良かった。

「こことどこでもないところ」「意識と無意識」、必ず二人一対となる登場人物の設定のスタイルから、「Double Window」っていうテーマにぴったりだと思って…

右:なるほど、オースターのNY三部作の一つ。
左:だから緊張して、頭固まってんじゃない?
右:いつも思うんだけど、この人、自分の頭脳と題材のバランスが取れてないよね。
左:あんまりホントのこと言うなよ、可哀想だろ。。

他にはこんなのとか、

こんなのも。

右:納得いかないんだ。

ラフだと一見面白そうなんだけど、実際着彩しても乗り切れるものは意外に少ないんだよね。

左:なるほど。ということは全然着彩の方には手がついていないわけ?

いや、ちょっとだけ。描きながらどんどん変わってるんだけど。

左:ラフと全然違うじゃん…。しかも全然NYっぽくないし。
右:NYとか、どうせ性に合わないんじゃない。あんた基本ファンタジーでしょ?
左:あきらめてレトロにまとめちゃえば。見ると、おじさんも空飛んでるし。

うるさい(怒)今回はNYで渋くキメたいんだよ。
だから次はこうしてみた。

右:あ、四角くなった。
左:おじさんも歩いてるし。
右:前の方がよかったんじゃない?
左:ね。

えっ!? マジ?

左:なんか前の方が夢があったっていうか。ビルの文字とか意味わからないし…。

で、でもこれには意味があって…。
主人公のクインは、ある人物を追ってNYの街を徘徊するつうち、不思議な現実にのめりこんでいくんだよ。もはや彼にとってNYは、「どこでもないところ」になり果て…

左:じゃ、いいんじゃない。
右:ね。最後は本人次第。描いてる本人がよければいいとんだから。

やっぱ前の方がいいかな…。

右:やべ、また気にしてる。
左:めんどくさいね。俺たちも戻ろうか。
右:だね。ウイイレでもやる?……

…ということが実際あったわけではないのですが(笑)、
頭の中はだいたいこんな感じ…ということで、お楽しみ頂ければ幸いです。

次はできあがった作品画像をご紹介しますね〜。


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