「ZINE Week」展に参加、2冊のリトルプレス本を出品いたします。

ZINE「6/0」納品です

自身の主宰するebooks/リトルプレス・レーベルのpicografika(ピコグラフィカ)より、2冊のリトルプレス本を刊行しました。4/18より外苑前のgallery DAZZLEにて開催される「ZINE Week」にて販売いたしますので、ぜひぜひお立ち寄りいただけたら嬉しいです!

ZINEって、なに?
と、よく聞かれるのですが、ZINEとは、「マガジンMAGAZINE」から「メガ(大規模な)」の部分を取り、「ジンZINE」だけを残したもの。個人やグループで発行するリトルプレス(小規模出版)は世界的にも盛んで、各地でたくさんのイベントが行われています。

物語集『6/0 六つの無限空間』のご紹介

いろんな分野の人が集まって、自由なテーマ、自由な長さで綴る物語の本を作れたら、きっと楽しいだろうな……と、ずっと思っていました。ずっとあたためていた、そんな小さな物語の本のプランを、今回の展覧会をきっかけに実現することができました。

私の近年の創作テーマである「物語の空間」のコンセプトをベースに、参加作家の皆さんに「日常空間と非日常空間との微妙な境目を感じるような物語」というキーワードだけお伝えして、自由に執筆&編成した作品を一作ずつ寄せていただきました。絵本や児童書の分野で活躍する作家のほか、三名の参加者が、舞台という「空間」に身近に接する現役の俳優・戯曲家で あるというのも、ユニークなポイントです。

もちろん自分自身、短編小説の執筆に挑戦。なんだかドキドキですが、ぜひたくさんの方に読んでいただきたいです。

また、寄せられた素晴らしい6つの物語からインスピレーションをもらい、オリジナルのカバー&それぞれの物語のとびら絵を、立体作品で制作しました。

しみじみ、新しい挑戦の詰まった一冊になりました。。

ZINE「6/0」カバー

『6/0 六つの無限空間』

文・太田衣緒/かんのゆうこ/クリスティアン・アルザッティ/古川大輔/根津弥生/たなか鮎子
イラストレーション・たなか鮎子
picografika publishing 刊
104ページ 182 × 210mm
500円(税込)

立体イラスト絵本『コペルニクスの箱庭』のご紹介

「コペルニクスの箱庭」ストーリーブック

こちらは、2月に銀座の巷房にて開催しました小品展、「コペルニクスの箱庭」を題材にした、小さな絵本です。

現代の若者カミンスキ君が、ふとしたきっかけから、16世紀の天文学者コペルニクスの思索の世界に迷い込み、彼の心の宇宙を垣間見ることになります。時代を超えた不思議な対話は、2人に何をもたらすのでしょう。

人間はその小さな心の中に、想像力、イマジネーションの力で広げられる宇宙を持っています。とてつもない遠いところに行く人、深い部分をみせる人。そんな世界に触れた時の感動を、ちょっとでも表現できたら…と思いながら作った物語です。

2月の立体作品のビジュアルとともに、お楽しみいただけたら嬉しいです。

「コペルニクスの箱庭」ストーリーブックカバー

『コペルニクスの箱庭』

文・イラストレーション たなか鮎子
picografika publishing 刊
24ページ 135 × 155mm
400円(税込)


どちらの本も、ギャラリーDAZZLEにて4月22日(17時)まで店頭発売後、ネットにてご注文をお受けします。また、Kindleでの出版も企画しています。詳細は後日picografikaのサイトにておしらせしていきますので、ぜひチェックして下さい。

http://picografika.com

うおーー。
どちらも、とても素敵な本に仕上がり、興奮しています。
また引き続きこちらのブログでも、詳細ご紹介していきますね!

展覧会は、他にも合わせて50人の作家さんたちがそれぞれオリジナルのZINEを持ち寄っての展示になります。
リトルプレスなどにご興味のある方、ぜひ覗いてみてください^ ^


Creative Process: よく使う絵の具と、日本の伝統色。

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ベルリン、今日は雨。

通りに出ると、傘をさした人が多いのに驚きます。このくらいのしとしと雨なのに、めずらしい。こちらでは、ほんとめったに傘をさす人を見ない。なんとかフードとか帽子で済ませようとする。

わたしも昔から傘をさすのが面倒な方だったので、ちょうどよかったりします。手を上げてるのが疲れてイヤなのです(笑)

このところ、いくつか本のお仕事を進めているのですが、こちらもそのうちのひとつ。まだまだwork in progress、制作の初期段階の写真です。占星術をテーマにした本。どんな風に仕上がるでしょうか。。

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この、ブルーとグレーの間くらいの色、わたしにとってはとても使いやすいトーンです。

このスタイルの絵を描くとき、使う絵の具の色はほぼ決まっています。色への感覚って、完全に個人的なものだと思うんですが、わたしの思い描く世界、落ち着く世界には、あまりたくさんの色は出現してこないようなのです。媒体に左右される作品でない場合、ほとんどモノクロの世界をイメージするような気持ちで描いています。

まずはプルシアンブルー、フレンチグレー(青みがかったグレー)、ワームグレー(ベージュっぽいグレー)、ピーコックブルーかキプロス(青緑)、ベリルグリーン(エメラルド色)ミスティブルー(薄い青)。

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また、黒の代わりにペイニーズグレー(スチール色)を多用します。こちらも青み…というか、少し紫がかった、金属のような黒っぽい色で、青系の色に混ぜるとよく馴染みます。単体で使っても、エレガントで美しい。

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おとなりにあるきれいなチューブは、フランスのセヌリエのアクリル絵の具。パリに行った時に、本店で買いました。日本では、セヌリエのパステルは時々見かけるけど、アクリル絵の具は見たことないです。どこかに売ってるのかな…。

というわけで、2013年の個展で発表したこのあたりの絵は、これらの色がベースになっています。

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童話などの仕事では、もう少し使う色の幅を広げます。それでも、あまりに鮮やかな色味は自分のテイストに合わないので、少し沈んだトーンのものが使いやすかったり。そこで登場するのが、日本の伝統色。アクリル絵の具を使われる方ならご存知だと思いますが、ターナーのアクリルガッシュに日本の伝統色がびっしり揃っているので、そちらもよく使います。紺色、若草色、松葉色、鬱金色、黄丹。。。いやーたまらん。

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しかもターナーさん、どんどん色数増やしています。こちら、パレット見るだけでも楽しいですよ〜。

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ターナー/日本の伝統色シリーズ


立体作品、ブリッジワークスさんへお嫁入り。

先週、アプリ&電子書籍の打合わせで、
四ツ谷のブリッジワークスさんにお邪魔しました。

ブリッジワークスさんとはもう10年以上のおつきあい。
『佐門准教授と12人の哲学者』というアプリでも、
お世話になっている編プロさんなのです。

お仕事以外でも、展覧会に遊びにきて下さったり、
ご飯ご一緒したり。。

はたまた展覧会では、版画作品なども買って頂いたりしていたのですが、
今回はなんと、
6月の個展で初お披露目した立体作品二点がお嫁入りすることに。

その時の様子がこちら。
<ブリッジワークスさんブログ>

ブリッジワークスさんはお仕事で北欧などによく行かれていて、
オフィスにもかわいい北欧雑貨がいっぱいなんですが、
そんな中に、私の立体も飛び入り参加です。

おー。。(感無量)
ドキドキしますねえ。

なんだか、こういうのをたくさん作って、いろんなところにそっと置いて、
世界中に増殖させたくなってきますね。。
立体作っている人って、そういう望みがあったりするのかなあ。

前述の『佐門准教授と12人の哲学者』ですが、
実は、Kindleでもリリース予定。
次回、詳しくご紹介しますね〜!

『佐門准教授と12人の哲学者』
(六辻彰二・著)iPhone, iPadアプリ

昨日はウレシカさんの搬出にも行ってきました。
おかげさまで「ペットショップにいくまえに」展、
盛況のうちに終えることができました。

お運び下さった方々、またSNS等でコメントやいいね!下さった方々、
本当にありがとうございました!
こちらで展示した作品も、ぜひ近々ご紹介したいと思っています。


個展を振り返って、その7。『春と修羅』を題材に選んだ理由。

さて、もう少し近作の話におつきあい下さい。

上の絵は、「Vacuum Solvent -真空溶媒-1」。
宮澤賢治の詩集『春と修羅』の中に入っている詩の一編を題材にした連作のうちの一枚です。

これまで私は、詩にはあまり親しんできませんでした。
絵の題材にしたこともありません。

ご存知のように、私は宮澤賢治という作家が大好きです。
でも、賢治の詩集については、読み慣れていないこともあり、あえて手に取ることはありませんでした。『春と修羅』は有名な詩集ですし、学校の教科書などでも紹介されていましたから、まったく知らないというわけでもなかったのですが、敬遠していました。賢治の詩というと、自身の生き方の指針を述べた「雨ニモマケズ」や妹さんの死を扱った「永訣の朝」など、リアルな出来事を題材にした作品が取り上げられることが多く、架空の世界をモチーフとする私の絵の方向性とは合わないだろうと思っていたのです。

でも、今回の個展のために改めて『春と修羅』を読んでみて、これまでの認識と全然印象が違うことに驚きました。童話も詩も、やはり賢治は賢治。いや、むしろ詩の方が賢治らしいんじゃないかと思ったくらいです。中でもこの「真空溶媒」という詩は、賢治らしさが際立っているように感じます。

『春と修羅』のどこがそんなに良かったのか? 
どこが「賢治らしかった」のか?

まずは、「物語」が感じられること。

「真空溶媒」は特に物語的な構成が際立つ一編です。
架空の主人公たちが登場し、生き生きと動き回ります。間抜けな会話や突飛な行動も盛りだくさんで、読んでいてその世界にどんどん引き込まれます。

もちろん他の詩も、やはり「物語的」です。短い言葉の羅列の中に、賢治らしい時間の流れが感じられるのです。

「物語的」とはどういうことか。
空想的であること。比喩(メタファー)の世界観を感じること。
そして、時間軸が感じられること。

賢治は、どんなテーマを扱う時も、リアルな世界からひとつ別の次元に、自分の身を置こうと務めます。架空の場所に身を置くことで、主観的・感情的描写に走ることを避け、客観的に広く世界を見渡す余裕を持つことが可能になります。

また、ゆるやかな時間の流れに読者を引き込むことで、
押し付けることなく小さな経験を共にすることができる。
「物語」の良さは、そのあたりにあるんじゃないかと思います。

もうひとつ、この詩集を気に入った理由は、
これが際立って美しい「イメージの宝庫」だったことです。

賢治の言葉はとても絵画的だ、と私はいつも思います。
彼自身絵も描くからでしょうか。でも、それだけじゃないですよね。だって、絵描きが皆、賢治のように多彩な言葉を操れるわけではないですから。

彼は本当に言葉遊びが上手です。特に詩集では、童話などのように「筋立て」に縛られない分、より彼の言葉の魔法が際立っていると思います。ナンセンスな言葉遊びから生まれた数々の情景は、シュルレアリスムの絵画のような不可思議さと、思い切った実験精神に溢れています。

「真空溶媒」だけを例にとっても、金のりんご、ホッキョクグマのように大きな犬、コミカルな主人公たち、鉱物、化学実験的現象などなど、夢のあるモチーフの数々が満載です。

また、優しいばかりではない賢治の厳しさや辛辣さが垣間見えるのも、
この詩集の魅力のひとつです。

妹さんの死や自身の病気、数々の厳しい現実との対面。
賢治の魅力は、そういったシリアスな状況の中にあっても、遊び心を忘れないところにあります。
欧米への憧れ、化学や地学、宗教などなど、果てることのない知的好奇心が、彼の世界を明るく、前向きにさせています。辛い、悲しいと感情に訴え、悲観的になるよりも、一人淡々と知り、学び、静かに喜ぶ姿。その謙虚さと潔さが、彼の持つとてつもないスケール感につながっているんじゃないでしょうか。

というわけで、読めば読むほど及ばない自分に打ちのめされるばかりですが、
また懲りずに、この詩集を題材にした絵を描いてみたいと思っています。


6月に開催された展覧会の作品をUPしています。
この連作以外にも、賢治の作品を題材にした絵がありますので、
よろしければぜひご覧下さい。

http://www.ayukotanaka.com/blog/?p=1494


参考文献:
『新編宮沢賢治詩集』 (新潮文庫)
(春と修羅も含まれています)

http://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E7%B7%A8%E5%AE%AE%E6%B2%A2%E8%B3%A2%E6%B2%BB%E8%A9%A9%E9%9B%86-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%AE%AE%E6%B2%A2-%E8%B3%A2%E6%B2%BB/dp/4101092079/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1377844239&sr=8-3&keywords=%E6%98%A5%E3%81%A8%E4%BF%AE%E7%BE%85


お芝居のご案内。

友人の出演しているお芝居のご案内です♪
新宿三丁目のSPACE雑遊にて、火曜日まで。

「カサブランカ・ヨサブランカ」

詳細、チケットのご案内はこちら

劇団のウエブサイトはこちら

ご興味のある方がいらっしゃいましたら、
ぜひ上記ウエブサイトをご覧下さい☆


「銀座目利き百貨街」いってきました。

わーお。最低気温20度。

涼しい!!サイコー!

銀座松屋で開催されていました、
銀座目利き百貨街」にいってきました。

第一線で活躍されているクリエイターや著名人49人がそれぞれのブースにセレクトショップを展開し、ご自身のクラフト作品や伝統工芸店、好きな書籍などの紹介をするという展覧会。
貴重な展示物のほとんどは商品として販売され、手でじかに触って楽しむことができました。

平野敬子さんの切手コレクションや、松岡正剛さんの木製本、
杉本博司さんの古雑誌とか。

猿山時計店出品の機械式時計も良かった。
古時計のパーツや鍋のふたなどを再利用。コチコチと時を刻む音。

銅版画でご一緒させて頂いている永井一正さんのブースでは、
斬新さと繊細さを合わせ持ったデザインの大皿や掛軸が、
とってもステキでした。

私は鉄製品が好きなんですが、
黒川雅之さん紹介・山形の「炎や」さんという工房の作品も、とても印象的でした。鉄器に漆を塗って何度も焼くのだとか。見た目に漆は残っていないんですが、鉄に独特の風合いが残っていて、美しいのです。

こんな感じ。
実は撮影禁止だったそうで、このあと注意を受けました(汗)
貴重映像。

最近「美しき日本の残像」(アレックス・カー著/朝日文庫)
という本を読んでいます。

アメリカ人の著者が日本文化について広く深く考察したエッセイで、1994年からのロングセラー。クリエイターとしては、今頃読むのが恥ずかしいような本なんですけどね。

日本人の気づかない日本文化の良さ、逆にいいと思い込んでいる価値のないもの。日本人の真の美徳、悪癖。失われた自然。
12歳から日本に住み、オックスフォードでさかんなヨーロッパ文化交流を経験した著者の、冷静で公平な、そして日本への愛情に満ちた記述は、私たちの狭い視野を確実に開かせてくれるものです。

その本については後日改めて書きますが、ちょうどそんなタイミングで行ったため、とくに日本文化がまぶしく見えた展覧会でした(笑)

14日で終わってしまったのが残念!