ベルリンの夏。絵本制作中です。

berlin-studio1

ベルリンにも、夏がやってまいりました。
わたしにとっては、二度目の夏。

晴れると風がさわやかで過ごしやすいのですが、今年はドイツも異常気象の日が多いらしく、昨日はハンブルクの方で初のトルネード発生だそうです。

アメリカのトランプ大統領は「世界温暖化は作り話」と言ってますけどね〜。どうかなあ。

わたしは現在、絵本の締切を前に、イラストもりもり制作中です。

今回の題材は「いばら姫」。何度も描いてきた作品なのですが、民話っていうのは、毎回新鮮な発見があります。とくに今回は、実際ドイツに住んでからの制作なので、目線がずいぶん変わったような気がします。

どこが一番変わったかというと……たぶん、空間表現でしょうか。建物の中や外、色のとらえかたとか。やはり、日本で資料を見て描いていた頃とは、実感がちがう気がします。

ehon-making1

また、仕上げの行程にデジタルを使うようになったのも、作業プロセスの変化に影響しているかも。後ろの風景と前の人物を別々に描いて、あとでデジタル画面上で合わせるので、前よりも細かい調整が可能になりました。一枚絵の原画を楽しめないのは残念ですが、細かい描写や調整ができるので、メリットも大きいです。

仕上がりはもう少し先ですが、がんばります!


Creative Process: よく使う絵の具と、日本の伝統色。

1601-room-painting

ベルリン、今日は雨。

通りに出ると、傘をさした人が多いのに驚きます。このくらいのしとしと雨なのに、めずらしい。こちらでは、ほんとめったに傘をさす人を見ない。なんとかフードとか帽子で済ませようとする。

わたしも昔から傘をさすのが面倒な方だったので、ちょうどよかったりします。手を上げてるのが疲れてイヤなのです(笑)

このところ、いくつか本のお仕事を進めているのですが、こちらもそのうちのひとつ。まだまだwork in progress、制作の初期段階の写真です。占星術をテーマにした本。どんな風に仕上がるでしょうか。。

1601-room-painting2

この、ブルーとグレーの間くらいの色、わたしにとってはとても使いやすいトーンです。

このスタイルの絵を描くとき、使う絵の具の色はほぼ決まっています。色への感覚って、完全に個人的なものだと思うんですが、わたしの思い描く世界、落ち着く世界には、あまりたくさんの色は出現してこないようなのです。媒体に左右される作品でない場合、ほとんどモノクロの世界をイメージするような気持ちで描いています。

まずはプルシアンブルー、フレンチグレー(青みがかったグレー)、ワームグレー(ベージュっぽいグレー)、ピーコックブルーかキプロス(青緑)、ベリルグリーン(エメラルド色)ミスティブルー(薄い青)。

1601-ink3

また、黒の代わりにペイニーズグレー(スチール色)を多用します。こちらも青み…というか、少し紫がかった、金属のような黒っぽい色で、青系の色に混ぜるとよく馴染みます。単体で使っても、エレガントで美しい。

1601-ink2

おとなりにあるきれいなチューブは、フランスのセヌリエのアクリル絵の具。パリに行った時に、本店で買いました。日本では、セヌリエのパステルは時々見かけるけど、アクリル絵の具は見たことないです。どこかに売ってるのかな…。

というわけで、2013年の個展で発表したこのあたりの絵は、これらの色がベースになっています。

m12-imaginary-chemist13

m12-13-vacuum-solvent1

童話などの仕事では、もう少し使う色の幅を広げます。それでも、あまりに鮮やかな色味は自分のテイストに合わないので、少し沈んだトーンのものが使いやすかったり。そこで登場するのが、日本の伝統色。アクリル絵の具を使われる方ならご存知だと思いますが、ターナーのアクリルガッシュに日本の伝統色がびっしり揃っているので、そちらもよく使います。紺色、若草色、松葉色、鬱金色、黄丹。。。いやーたまらん。

1601-ink1

しかもターナーさん、どんどん色数増やしています。こちら、パレット見るだけでも楽しいですよ〜。

turner-web
ターナー/日本の伝統色シリーズ


ベルリンので日常。”Psychological Room – 心の部屋”。

12615178_1247664521916409_7010975366608130319_o

数日前までマイナス10度前後を行ったり来たりしていたベルリンも、ここ2日くらいで急に寒さがゆるみました。今日はなんと、9度。「マイナス」がついてない! なんで、こう極端なんだろう。。

ヒーターに張りついていたうちの猫も、若干リラックスモードです。

ここしばらくは大移動が続いてワタワタしていたのですが、先日の引越しのあと、ようやくひと段落つくことができました。最近は、午前中外に出てカフェノマド、午後は家で仕事…という流れで一日を過ごすことが多いかも。

ベルリンには、いいカフェがものすごーくたくさんあって、しかも、ロンドンや東京と違って混んでいないので、フリーランスやノマド人には天国のような環境。美味しいコーヒーを飲みながら、仕事もはかどります。

160126-cafe2

12473653_1248350345181160_4804466852117972222_o

今年は本腰を据えてやりたいことがいろいろ。これまでツギハギでやっていたデータ整理やウエブの見直しをしたり、新しい作品を作り始めたり。楽しみです。

新作の方は、小さなお話やメモから始まり、短編のアニメーションに発展させていけたら…と思っています。

去年の大学院での一年を通して、自分がすごく「空間」に興味があることに改めて気づかされました。テーマにしたのも、”Psychological Room” – 心の部屋。わたしたちの心、心理が作る空間。気分や考え方によって、広くなったり狭くなったりもする。明るい部屋も、暗い部屋もあるでしょう。古い部屋も、ピカピカに新しい、だけど少し肌寒い部屋も。

ちょっと抽象的ですが、わたしが魅力を感じるものには、こういった空間が、何かの形で必ず潜んでいるように感じるのです。物語の中にも、夢の中にも、人のちょっとした言葉や、近くの路地裏にも。わたしの想像力が動くときは必ず、なかった場所に、新しい空間が広がっていく気がするのです。

大学院では、英語の問題を克服したり(しきれてないけど)、慣れないカリキュラムをこなしたり、日本からいただくお仕事をがんばったり…と、とにかく飽和状態でワタワタしている間にあっというまに終わってしまったので(笑)、当時の作品の見直しも含めて、これからしっかり制作の方に反映させていけたらな…と思っています。

forest2

こちら、大学院でのアニメ作品の一場面。読書から森という、心の空間へ。

ウエブサイトの更新やらプロモーションも停滞&とっちらかっているので、そちらも手をつけ始めたところです。そのためにはまずMacの中身のお掃除から…いやはや、データ管理は普段からちゃんとやっとくべきですな。。

そうそう、このブログも、レスポンシブになった…とかいって喜んでいましたが、スマホで見ると、マージンも文字サイズも統一感がなくバラバラ。カスタマイズの仕方が全然甘いようです。

もう少し時間をいただいて、ちゃんと整えていきたいと思います!
ではでは、また。


着彩の日々です。

こんにちは。
今年もあっというまにゴールデンウイーク…。
時間の経つのが早いです。

3月末に帰国して以来、ずっと仕事の入稿の連続。
ほぼ自宅にこもっております。
アンデルセンの絵本からかいぶつや竜の本、星座の本など、種類もいろいろです。

ということで、絵を描いている写真など。
こんな感じです〜。

マケドニアの竜のお話なのです。

出版はまだ少し先になりそう。
出来上がったらまたご案内させて頂きます♪


東京に戻ってきました。制作中の絵本の話など。

こんにちは。

前回のジョニー・デップに関するヘンな投稿ののち、久しく音信が途絶えておりましたが、先週東京に戻ってきました。その後はろくに外出もせず、まもなく入稿予定の仕事にがっしり取り組んでいるところです。

たぶん4月中は仕事の入稿中心、5月のGW明けからはビザ申請、引っ越しや物件の引き渡し、猫の渡英準備、クリスの会社のもろもろ…と、考えるだけで恐ろしい重要案件をこなし、うまくクリアできたところで再渡英、という予定です。6月くらいには、と思っていますが、どうなることやら…。

さてさてさて。
今仕事で描いているのは、8月に出版される予定の絵本の原画です。
「はだかのおうさま」、ご存知アンデルセンの名作です。

去年から少しずつ進めていて、前回日本を離れる前にかなり着彩を進めていたのですが、来週が最終締切!ということで、今最終の追い込みです。

たとえば前半のあるシーン。王様に大臣が耳打ちしているところ。

始めはこんな感じです。

色や細部が入って、こんな感じに。まだ終了ではないんですが。。

「はだかのおうさま」って、結構大人目線のむずかしいお話なんですよね。なにしろ、大人のバカな”見栄”がテーマ。よく大人用のフィクションにも引用されるお話ですもんね。もしかしたら、そういう大人の愚かさを最終的に子どもが正すエンディングが、子どもたち諸君にとって痛快なのかも。

とはいえ今回は、小さい子でも楽しんで読んでくれるように、皮肉を前面に出すよりはコミカルな感じで進めています。今は本当に仕上げの段階なので、細部に味が出せるようにぎりぎりまで頑張りたいと思います!

今月はGW前ということもあってか、このあとも童話集の締切が数件続いています。ありがたいこっちゃ。。これまたおもしろいことに、そちらは「おばけ」や「かいぶつ」などのテーマが重なっているので、しっかりリサーチして、いい作品を描きたいと思っています。

ロンドンで参加したドローングコースなどの報告や、新しい仕事のおしらせなど、また近々更新しますね。


作品の制作プロセスのご紹介。MAYAギャラリー「DOUBLE WINDOW」

本日よりMAYAギャラリーさんにてスタートしたグループ展、 「Double Window」。

ひとつの絵の中で、ふたつの窓(枠)を使って絵を描いて下さい、そういうシンプルなリクエスト…のはずなんですが、かなりグルグル迷いました。

作品画像をご紹介する前に、ちょっとそのプロセスをご紹介。


いつも作品づくりは、小さなサムネールからスタートする。
これが一番始めのサムネール。

サムネールの人物が悩んでいる私を差し置いて、勝手に会話を始める。

右:あの作者、早いとこ決めて描き始めりゃいいのにね。
左:そうそう。本人が思ってるほど、まわりは気に留めないし。
右:常に気負いすぎなんだよね。
左:そうそう。ちなみに、なんで俺たち、体が建物なの?

それはね。題材がポール・オースターの「ガラスの街」だから。NYの物語でね。

最近読んで、大きなインスピレーションを受けた作品。
現実と非現実の境界って、どこだろう……そういう個人的な視点から出発して、バベルの塔やエデンの園、言語の起源に関わる深遠な問題にまで触れた、異色の短編小説なんだよね。オースターは前に「幽霊」を読んだことがあるけど、こちらの方が断然良かった。

「こことどこでもないところ」「意識と無意識」、必ず二人一対となる登場人物の設定のスタイルから、「Double Window」っていうテーマにぴったりだと思って…

右:なるほど、オースターのNY三部作の一つ。
左:だから緊張して、頭固まってんじゃない?
右:いつも思うんだけど、この人、自分の頭脳と題材のバランスが取れてないよね。
左:あんまりホントのこと言うなよ、可哀想だろ。。

他にはこんなのとか、

こんなのも。

右:納得いかないんだ。

ラフだと一見面白そうなんだけど、実際着彩しても乗り切れるものは意外に少ないんだよね。

左:なるほど。ということは全然着彩の方には手がついていないわけ?

いや、ちょっとだけ。描きながらどんどん変わってるんだけど。

左:ラフと全然違うじゃん…。しかも全然NYっぽくないし。
右:NYとか、どうせ性に合わないんじゃない。あんた基本ファンタジーでしょ?
左:あきらめてレトロにまとめちゃえば。見ると、おじさんも空飛んでるし。

うるさい(怒)今回はNYで渋くキメたいんだよ。
だから次はこうしてみた。

右:あ、四角くなった。
左:おじさんも歩いてるし。
右:前の方がよかったんじゃない?
左:ね。

えっ!? マジ?

左:なんか前の方が夢があったっていうか。ビルの文字とか意味わからないし…。

で、でもこれには意味があって…。
主人公のクインは、ある人物を追ってNYの街を徘徊するつうち、不思議な現実にのめりこんでいくんだよ。もはや彼にとってNYは、「どこでもないところ」になり果て…

左:じゃ、いいんじゃない。
右:ね。最後は本人次第。描いてる本人がよければいいとんだから。

やっぱ前の方がいいかな…。

右:やべ、また気にしてる。
左:めんどくさいね。俺たちも戻ろうか。
右:だね。ウイイレでもやる?……

…ということが実際あったわけではないのですが(笑)、
頭の中はだいたいこんな感じ…ということで、お楽しみ頂ければ幸いです。

次はできあがった作品画像をご紹介しますね〜。


時差ボケ、ようやく脱出。旅行記書こうと思っとります。

旅行後しばらく時差ボケが続いていました。

かすみがかかったような頭、突然落ちるように眠くなったり、集中できなくなったり。
それもこの週末のんびり過ごしたおかげで、ようやく脱出できたみたいです。

時差ボケ。英語でいえばJet Lag。

個人差はあると思いますが、時差ボケってだいたい西から東へ移動した時がひどい。
例えば日本→ヨーロッパの移動は、東→西なので比較的楽。逆に早寝早起きサイクルが身について、旅行には最適な体調を維持できるからありがたいのです。
しかし日本→アメリカ西海岸あたりの移動は大変。昼夜が完全に逆転する感覚です。

ということは、帰国後のサイクルは逆? 
お察しの通りです。ヨーロッパから日本に帰国した後はひどい時差ボケ、サンフランシスコあたりから戻ると頭スッキリ。どっちかというと、旅行中元気な方がありがたいですよね。

せっかく頭もスッキリ、秋も近づいてきたところで、今度こそ(!)ちゃんとブログを整理したいと思っています。
今年やってきた活動や勉強の内容なども、ぜひぜひご紹介したく。

なんというかここしばらく、日常の細々した仕事や日々の生活に忙殺され、ゆっくり自分と向き合ったり、それを外の人に伝えたり…という作業が疎かになっていたように思います。やろうやろう、とは思うんだけど、エンジンがかからないというか、スイッチが入らないというか。
だいたいいつも「〜については次にまた書きます」とか言ってるくせに、結局そのまま時間が過ぎて更新せず…という状況が数年続き。。この、嘘つきめ〜。

ブログ…というか、ウエブサイトに日記をUPし始めたのは確か12-3年前のこと。務めていたデザイン会社でウエブサイトの作り方を教えてもらったのをきっかけに、見よう見まねでウエブサイトを立ち上げたのが始めだったような。
「ビール部」のサイトなんかも立ち上げて、人が見ていないのをいいことに、やりたい放題書きたい放題。

しかし今思うと、その「やりたい放題書きたい放題」っていうのが大事だったんじゃないかと。ビールを飲みながら、思いつくまま書いた文章の中には、今読み返すとはっとさせられるようなことも書かれていたりして。

仕事だ大人の事情だっていって、そういうめちゃくちゃさを封印しちゃうのって、なんだか寂しいような気がします。そんなわけで、止まり気味の頭のネジを動かすためにも、いろいろ書いていきたいな、と思う今日この頃。

ほんと? と言わず、懲りずにおつきあい頂ければ嬉しいです!

まずは先週戻った旅行について、ご紹介できればと。
とても有意義な旅だったので。

あ、相変わらず形から入る性質なもので、
またもやフォーマットのメンテナンスがちらほら…。
体裁が多少変わって読みにくい時もあるかと思いますが、どうぞご辛抱頂ければ幸いです。


新宿御苑でスケッチ。

またもや更新が滞っております。。
なんだかもう、今年をじっくり過ごすのはあきらめました。
来年初め、今抱えているお仕事を終えると少し落ち着くのかな…という気がするので、
頭を整理するのはそのあとにしようと思っています(^ ^;)

今日は、今描いている絵本の取材のため新宿御苑に行ってきました。
あたたかく、いいお天気で、
庭園も、木々も、池もと〜ってもきれいでした。

こちらは池と石灯籠。

真っ赤なもみじ。

美しいですねえ。。。

と、感心しているだけじゃいけないのです。
今取り組んでいるのが『うらしまたろう』。
初の和物。ということでハラハラドキドキです。

ただ、和物とはいえ竜宮城っていうのはファンタジーの世界でして、
純和風の世界ではないんですよね。
どこらへん?というのは諸説あるようなのですが、
私自身の持つイメージを突き詰めてみると、
台湾や韓国の建物がとっても近い感じ。
あとは、沖縄の首里城もいいですよね。

そんなわけで、新宿御苑でも「台湾閣」は外せない建物。
スケッチしたり、あとは家で韓国の世界遺産のDVDを見たり、
このごろは頭の中が竜宮城化しております……。


銅版画の日。

TBSのドラマ「Jin」がまた始まるということで、
このところ去年のシリーズを再放送していました。

去年あまりちゃんと見なかったので、今回録画してみてみたんですが、とてもおもしろかったです。
「神は乗り越えられる試練しか与えない」って、今のわたしたちの心に響く言葉だなあ、と思ったり。

やっぱりお医者さんってすごいですね。すごいお仕事。
原始的なことも起こりうる時代設定のドラマだからこそ、命を預かる人、預ける人の切実な気持ちが一層強く伝わってきます。

先週は「獣の奏者」(上橋奈穂子作、講談社)を読みました。
iPhoneで読んだので、何度も電車乗りまちがえました(笑)。
こちらも大変おもしろかったです。

人間の欲が自然をコントロールすることが、結局人間に帰ってくる…という、やはり現世への警句となるテーマ。
普段ならそれほどではなかったかもしれませんが、今読むと、いちいち胸に染みますね。

やっぱり現代ってちょっとおかしいんだよな、便利の代償を払わずに済むはずがないんだな…とか。
でも「Jin」とかを見ていると、科学の進歩のおかげでたくさんの病気が治せるようになっているのだから、ありがたいことなんだ…とか。

簡単には言えませんよね。
ひとつ言えるのは、なるべくして今の世界になっているっていうことなんでしょう。原発もネットも医学の進歩も。

さて、今日は銅版画の刷りデーです。
迫り来るギックリ腰との闘い。一日もったら、明日は整体に行くぞ!